女性起業家の数が増えている理由とは?
女性起業家数調査結果 年々増える女性社長
信用調査会社国内第2位の東京商工リサーチが2010年から2016年の6年間にかけて日本全国を対象に行った調査によれば、2016年度の女性社長の数が初年度の1.8倍にまで急増していたそうです。
あくまでもこの数字は社長を務めている女性の人数をカウントしたものなので、共同起業や社長以外の役職に就いている女性起業家を含めると、実際はもっと増えている可能性もあります。
また、これは別の調査会社が行った調査データではありますが、2017年の全ての起業家に対しての女性起業家の割合も、10年前から比較して1.45%増の7.69%になっているとの報告もあります。
女性起業家が増えた理由を分析する
数字だけ見ると圧倒的に男性の方が多いなという印象ですが、女性起業家の数が年々着実に増えてきているのは間違いありません。働く女性の数が着実に増えてきていることが一つの原因です。
ここでは女性の働き方の意識が最近になって変わってきたという訳ではないようです。というのも、2018年まで10年間に渡って取られた統計では、独立起業を望む女性の割合は全体のうち30%前後でほとんど上下なく推移しているからです。
サービスに新風を吹き込む女性起業家
しかし、働く女性の数がここの数年で1.8 倍=女性社長の伸び率と同等に伸びたわけではありませんから、女性起業家数が増えた要因がほかにもあります。
それは介護や子育て・美容関係のサービス業界の新サービスに対するニーズが年々高まってきていることだそうです。
男性だと同じような業種でもそのまま既存の介護・保育施設の運営とか美容商品の販売に目が行きがちですが、女性起業家はそういった従来の業界の中で全く新しいサービスを開拓する能力に優れています。
もうすでに定着しましたが、ネイルサロンに女性が定期的に通う、という習慣は、かつてはなかったはずです。まさしくこれは女性が新しく作ったネイルサロンのサービスを女性が利用し、盛り立て、新しい業界を作り出した例の一つです。
こんな風に、女性のニーズの「かゆいところ」に手を伸ばすようになったり、消費者側に新しいサービスを受けたいという要望が増えてきたことが、女性起業家の数が増加した一因になっているのです。
現在の日本は、従来型のサービスは、人口減少傾向とともに飽和状態ということもあって、従来の考え方にとらわれない女性起業家へのニーズは今後さらに高まっていくことでしょう。